通常、Notes クライアントと Domino Designer の起動順番は意識することなく利用されていると思いますが、万が一 Notes クライアントと Domino Designer の起動する順番によって発生する問題に遭遇してしまった場合、その対策としても、プロセスの起動順番が重要になってきます。
すでに修正されている現象ですが、例を挙げると下記のような公開情報の問題です。
タイトル: Errors occur if Domino Designer is launched before Notes (8.5.1 Fix Pack 5 on Windows)
文書番号: 1450357
URL: http://www.ibm.com/support/docview.wss?rs=463&uid=swg21450357では、このような性質を持つ問題が発覚した場合、Notes を先に起動しているのか、それとも Designer を先に起動しているのかを判別する方法について記載します。
それなら、デスクトップアイコンにリンクしている designer.exe や notes.exe のプロセス開始時間を比較すれば良いと思った方がいるかもしれません。ところが、そうはいかないのです。
お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、designer.exe/notes.exe は起動した後にプロセスリストには残らないので、プロセスの起動時間を比較することはできません。
このため、起動順番を判別するには、下記のようなアプローチが考えられます。
1. Windows タスクマネージャを開く
2. [表示] - [列の選択] を選ぶ
3. コマンドラインにチェックを入れる
上記により、コマンドライン列がタスクマネージャでも確認することができます。
この状態にして、nlnotes.exe を比較してみましょう。
○ Designer を先に起動した場合
○ Notes を先に起動した場合
プロセス起動時の コマンドラインに /design が付いていると Domino Designer を先に起動したということがわかります。
また、OSのプロセスリストのスナップショットの情報が含まれる sysinfo ログや NSD ログでもこのようなユーザーの起動方法を把握するのに非常に有益な情報となります。
○ Designer を 先に起動した場合<@@ ------ System Data -> Processes (Time 05:31:41) ------ @@>
INFO PID PPID UID STIME COMMAND
-> 0a58 0488 1000 07/29 05:28:31 [C:\Notes\NLNOTES: NLNOTES.EXE /authenticate
/design "=C:\Notes\notes.ini": 0a58]
○ Notes を 先に起動した場合<@@ ------ System Data -> Processes (Time 05:36:51) ------ @@>
INFO PID PPID UID STIME COMMAND
-> 0b9c 0c44 1000 07/29 05:35:41 [C:\Notes\NLNOTES: NLNOTES.EXE /authenticate : 0b9c]
このように、sysinfo/NSD ログには、起動環境を判別するために重要な情報が含まれていますので、問題の再現テストを行うためには非常に重要なファイルとなることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
タイトル: 「NSD」と「NSD -info」の実行の違いについて
文書番号: 1578535
URL: http://www.ibm.com/support/docview.wss?rs=463&uid=swg21578535以上のように、万が一何かこのような起動時順番に依存している問題に遭遇してしまった場合には、まずは、プロセス起動時のコマンドラインの情報をご確認ください。